仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

白タク行為にご注意を

白タクとは営業許可を受けず、自家用車でタクシー業務をする車のことである。
言葉では知っていましたが、実際に自分には関係ないものと思っていました。ところがすこし前実際にその誘いにすっかり騙されてしまい、その存在を体験として刻み込みました。

ある秋の日飲んだ帰りにいつものつくばエクスプレスに乗っておおたかの森を目指しました。結構よくやるのですが、降車駅を幾つか行き過ぎて、もう帰りの電車もなく、タクシーで帰宅するか、とりあえず朝まで何処かで時間を潰すかの選択を迫られました。すでに独身貴族を卒業して久しい私にはタクシーで帰宅するという選択肢はなく、その日もつくば駅の石段のところのベンチで寝転がって一眠りしようとしていました。

その時ある40代の男性から声をかけられました。「始発待ちですか?」時刻は1:30を過ぎていたでしょうか。私も見知らぬ人と話をするのは特に嫌だというわけでもないので、そのまま何気に世間話を開始していました。
男性 「ご自宅どちらなんですか?」
私 「野田市です。」「タクシー使えば1万円以上かかるし馬鹿馬鹿しいからここで時間を潰そうと思ってました 。」
それからしばらくとりとめのない話が続きました。男性は千代田区で税務関係の仕事をしている、自宅はつくば市内。急ぎの仕事が入ることが結構良くあり、<span style="color:#FF9900"><span style="font-size:large;">この後も急ぎの仕事で千葉まで書類を届けに行かないといけない、</span></span>得られた情報はそんなところでした。

しばらく会話をしたのち、男性からこんな提案がありました「これから書類を届けに行くの<span style="color:#FF9900">野田市だから結構近いんじゃないですか</span>?よかったら近くまで乗せて行きましょうか?私にとっては思ってもないラッキーでした。なんだか変だなあとすこしは感じていたものの、やっぱり家で眠りたかった私は、恐縮しながら、男性の提案を受けることにしました。

家にそこそこ近づいた時に男性は言いました。「思ったよりも距離的には短いですね。タクシーでも1万円はかからないかもしれませんね。」
さすがの私も家を知られるのが嫌だったので、家からすこし離れたところでおろしてもらうように伝えました。その時は丁度現金を持ち合わせて無かったのでその旨伝え、今度お礼がしたいので名刺をいただけないかと申し出ました。すると男性は「別に大したことないから、今日だけ、今回だけにしましょうよ。ガソリン代だけで構いませんよ。」と、本当に現金を持っていなかった(1500円程度)私にとって返しに困る内容の答え。結局1000円ほどしか持ってない旨説明し、1000円だけ渡して、車を降りました。
 
あとあと考えるとストーリーがよくできていて感心しましたが、極端に変な人でなくてよかったなあと思います。最初に住所を聴いた時にすぐ、自分がたまたま今からその近くに行くと言わなかったのは、これから自分の車に乗せる見ず知らずの人間が、逆に変な人間で無いか探る為。千代田区で税務関連の仕事をしていると言ったのは、何と無くちゃんとした社会的地位があると思い込ませる為。到着する少しまえに、思ったよりも距離はないから、タクシーに乗っても⚪️⚪️千円くらいですよとほのめかしたのは、後で相手から自然に出てくるお礼の金額を意識させる為。そして最後に今回だけのことにしたいというのは、大したことじゃないからではなく、渡すべき名刺も社会的地位もないから。
 
いろいろ時間をかけてカモを選んだわけですが、結果的には1000円しか実入りが無かった。ガソリン代を差し引けば、せいぜい700円程度ではないでしょうか? 時給で考えると350円以下でしょう。深夜にれっきとした犯罪のリスクを犯してまで稼いだお金がたった700円だというのです。
なんだか申し訳なくなる出来事でした。