仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

お金がなくてもこの靴は買っておきたい ーその2 簡単なのに満足度の高い消費ー

今回は前回の続編だ。ちょっとした経験と知識があるだけで、消費行動がより豊かになる。スコッチグレインの靴は、そう思わせてくれるものの内の一つ。靴にたいする価値観を大きく変えてくれる存在なのだ。

 

今5000円程度の靴を仕方なく履いている人なら必ず分かる。安い靴を履き潰すばかりの消費でも良いというかもしれないが、メンテナンスをしながら長く愛用する消費は心を豊かにしてくれる。
 
私の場合きっかけがあった。というより、安物買いの銭失いという悩みがあったのだ。最近の廉価靴はデザインもよく、質感もあって、ぱっと見はよく見えるものが多いが、すり減りも早いし、メンテナンスに適していない。磨いても綺麗になり難いものも多い。さらには購入当初は良いが履いているうちにだんだん皮が伸びてきて、ブカブカな靴になってしまう。そんな悩みを抱えていた。
 
そんな中、スコッチグレインのウェブサイトで胴周りの長さについて知り、これまで私は、長さは良いが胴周りの大きい靴ばかりを履いていたことに気付いた。またグッドイヤーウェルトという製法を知り、なぜ丈夫なのかということを知った。(他にマッケイという代表的な製法もあるがスコッチグレインの靴はグッドイヤーウェルト製法で作られている)。ネット上では、少し調べただけで、「スコッチグレインの靴に満足した」という内容の書き込みが多く、一度買って見ようと思うのに時間はかからなかった。幸い私の家からそう遠く離れていない場所にアウトレットショップがあり、そこに行ってまずはぴったりサイズのもので、一番デザイン的に気に入ったものを購入した。
 
さっそく会社に履いていくと、これまでとは全く別の感覚。高い靴を履いているという実感があるのだ。気分的なものかもしれないが、それがいいではないか。身につけているもので気が引き締まる感じがする。そう思うと大事に大事に扱うようになる。
続けて同じ靴を履かない、雨の日は履かない、帰ったらすぐにブラッシングして保管するなど手入れにも気を使うようになる。そんな風に扱っているので、10カ月経った今でも新品のような輝きを放っている。
 
履き始めて間もなくで、サイズが合っていることがどれだけ重要なことか、なぜ丈夫なのか、ということを体験を通じて本当に理解できた。だからこの靴には本当に満足しているし、ABCマートのような場所で売られている5000円の靴より安いと思う。
 
こんな風にちょっとした知識とちょっとした体験があるだけで、ものに対して深く関われるようになる。「良いもの」は正しく使ってあげれば、求める以上のことを返してくれるものだ。何もマニアックになる必要もないし、よほど好きでもない限りは細かい知識など必要ない。私自身も靴に対してはこの程度の知識しかないし、これ以上知りたいとも思っていない。でも愛を持って靴を扱っているし、豊かな心で消費していると思っている。スコッチグレインの靴はそんな豊かな心を育んでくれる、大げさにいえばそういう靴だと思う。

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