仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

素晴らしき切り絵 -廃校となる小学校の校長が全生徒に切り絵の似顔絵を贈る-

先日車の通勤途中で見た「あさチャン」の中で、佐賀のある廃校となる小学校の校長が、全校生徒に切り絵を贈ったという話題が取り沙汰されていた。ネットで調べて見ると読売他色々なサイトでその事が紹介されていた。

これまで卒業生には毎年同じような切り絵を配布していたらしいのだが、本年度で廃校になるため全校生への思い出として3カ月半もの時間をかけて校長先生がひとりで作成したそうだ。

校長先生(岩崎一男校長、値賀小学校)の学校や生徒への想いについての美談は、複数あるネット上の記事に任せるにして、私としてはこの美談とともに語られる「切り絵」をフィーチャーしてみたいと思うのだ。

切り絵といわれてもそれほどメジャーではないだろう。ネット上で調べてみてもいろんなアーティストがいて、それぞれ違った観点で作品を作っている。


朝チャンの映像の中で、校長先生の自宅?校長室?には自身の作品が数多く飾られていた。ネット上に出ているものは殆どなかったが、作品のタイプはかなりオーソドックスなタイプの切り絵だった。岩崎校長が切り絵を始めるきっかけが、戸田幸一という切り絵アーティストの作品に感銘をうけたことだったが、そのアーティストの作風がオーソドックスなタイプのものなのだ。

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これだと思った私は切り絵について色々調べてみた。というのも、私はこれらのオーソドックスなタイプの切り絵が昔から好きだったのだが、これが切り絵だいうことが分からなかったから調べようがなかったのだ。今回この記事を読んで、校長の作品を見てはっ!と感じた。かくして「切り絵」というものがこの校長の美談と共に私の記憶に鮮明にとどめられることになった。

メリハリのある白黒の画そのままのもの、または全体や部分部分にカラフルに色づけしたもの、私にはこれが西洋のステンドグラスのように感じられる。カラフルな色彩が輪郭のはっきりした黒で区切られた結果、独特のメリハリある画になる。そのメリハリ感に妙に惹かれるのだ。

他にも久保修というアーティストの作品は私にとって最高のものばかりだった。いかにいくつかを紹介しておこう。

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久保修 切り絵 画像などと検索すると沢山の作品が出てくる。どの作品も私にとっては感動的なものばかりだ。

デジカメで撮影したものをセピアカラーにするとどこかノスタルジックな感じになるのと同様、この切り絵にもノスタルジーを強く印象づける要素があると思う。

校長先生は、この学校で学んだことを心のどこかに置いておいてほしいという願いをこめて全生徒に似顔絵の切り絵を贈った。贈られた子供達がいつか大きくなった時、値賀小学校で過ごした記憶が、はっきりとした輪郭を伴い、色彩感豊かに彼らの記憶によみがえることだろう。

校長先生が贈ったものは、切り絵の中に込めたそんな未来のノスタルジーなのだと私には思えてならない。