仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

上田電鉄 下之郷駅での出来事

上田電鉄を知っているだろうか?長野県上田市にある。JRの上田駅から別所温泉をつなぐ私鉄だ。電車の本数も少なく単線で運行されていて、駅も非常に小さい典型的なローカル線だ。

うちの会社に上田営業所があり、時々東京から手伝いでいくが、帰りに時間があったから一度乗ってみようと思い最寄りの下之郷駅まで送ってもらった時の話だ。
 
時刻など見て行かなかったので、約25分程度待つ羽目になった。去年の3月末頃の話、上田はまだ寒かったので、小さな駅舎には暖房が焚かれていて暖かかった。切符は自動券売機などをではなく、もちろん窓口で購入。終点の上田までを購入した。渡された切符は厚みのある紙を使用していて趣があった。また駅舎自体もレトロな感じでローカルな気分を満喫できた。さあ、話はこれからが本番だ。別所温泉、ローカル線、レトロな感じなどそんなことを言いたいわけではない。
 
切符を手渡された時、「どちらからですか?」と聞かれた。これから「遠くに帰る」ことが分かったのかそんな口調での問いかけだった。近所の人ならそんなこと聞くわけないからだ。「関東方面までこれから新幹線で帰ります。」確かそんな風に答えたと思う。「関東は東京ですか?」とさらに掘り下げをうけたので、「いや、千葉なんです。」「千葉のどのあたりですか?」さらに突っ込んでくる。「埼玉に近いところで野田市っていうところなんですけどご存じですか?」「野田市だと愛宕とかそのあたりですか?」と今度はかなりローカル且つピンポイントな地名あげてきた。「いや七光台なんです。」というとすかさず、「ああ七光台ですか。」とやはり知っていた。
 
途中の話は割愛するが、駅員の彼は上田電鉄の親会社の親会社である東急電鉄の社員だということが分かった。横浜生まれの横浜育ちだそうだ。孫会社の上田電鉄で駅員をやりませんかという案件があり、自ら志願してこの地にやってきたそうだ。それでこれまでのやりとりにすべて合点がいった。彼は電車好きがこうじて東急電鉄に入ったタイプなのだ。私の家の最寄駅がある鉄道が東武線であること、今は東武野田線という路線名だが、4月からはアーバンパークラインという路線名に変わることも勿論しっていた。
 
やはり電車好きだから関東の路線図など頭に入っているのだろうなと思いながら雑談をしていた。しかしこの後私の出身地や、これまでの転勤等で住んだことのある地域の話になると、彼は本領を発揮し始めた。
 
私は兵庫県の淡路島出身だが、東京から陸路だとこういうルートになりますか?などバスや船のルートなど、およその交通期間とそのルートが頭に入っているというのだ。行ったことがないと絶対に分からないだろう乗換えの不便さなども知っている有様だった。これには私も驚いた。私が福岡に住んでいた時の最寄り駅など朝飯前だった。
 
そんなやりとりをしていたので、待ち時間の25分などあっと言う間だった。偶然といえ素敵な出会いだった。出向の期間は3年間ということで、1年半ほどで東急電鉄に帰る予定だが、上田市が気に入ったらしく、もうここに住んでも良いと言っていた。

上田電鉄別所線 全駅紹介�H (下之郷)

来月末頃に上田に行くと思うが、その時はまた下之郷から別所線に乗ろうと思う。ちょうど1年振りになるが、私と会話したことも交通機関の路線図と同じように記憶していてくれたら嬉しいなあと思う。

 

ところでここに出てくる別所温泉は有名なアニメ映画「サマーウォーズ」の舞台となる地だ。このサマーウォーズ、凄く面白いので見てみて損はないぞ。上の路線の電車も分かりやすく再現されている。


映画「サマーウォーズ」公式サイト