仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

中小企業での面接の心得 ー面接する立場に立ってわかったことー

中途最採用の面接を含め、これまで何度も面接を受けてきた。今となっては恥ずかしくなるような発言もあったかと思うが、その時は真剣だったと思う。これまで自分のしたいようにしてきたし、会社の組織にはどっぷりはまることはなかったと思う。大きい会社に勤めていたこともあるが、組織に従属するというよりはしたくないことはやらなかった口だから会社の評価はあまり良くなかったと思う。

そんな私も年をとった。会社の中で直接判断をする立場ではないが、人を評価する側にまわりつつある。今日初めて面接をする立場に着いた。別に私が最終の判断をするわけではないのだが、彼の評価に関して、私の評価も十分に考慮すべき立場になったということだ。

今日面接した方は、30歳の方だ。率直に言うとうちの営業職としては難しいかなあという印象だった。私も何度も会社を変わった流れ者だから良くわかるのだが、そんな私をもってしても難しいなあという印象だった。

これまで数年間に渡って組織人を続けたことがないらしい。大抵一年程度で退社している。それでも面接の場で精一杯PRしないといけない。そうすると、一年程度の経験なのに「これまでの経験を活かして」というロジックに頼ってしまう。でも評価する側は節穴ではない。言葉を聞いた瞬間に、職務経歴書を見た瞬間に、そんなことがはっきりと見えてきてしまう。

今回の人の場合、自分にはこれまでの職歴の中で活かせる経験があるとは思えない。今すぐこんな事をやりたいということも正直現時点ではない。だから、2-3年の中で自分のスタイルを確立し自立して数字を上げていけるようになりたい、言うとしてもせいぜいこの程度だ。

大企業に入りたいのなら、こんな状況ではまず書類すら通らない。ただし中小企業では人を採用する仕組みがしっかりしていないことが多く、人事部というものが存在しない。社長が面接するときもあるし、しないときもある。営業職なら拠点の責任者が気に入れば、即採用になることも多い。大企業と違ってなぜこの会社に入りたいのかとか、この会社で何をしたいかなどロジックは必要ない。人柄だけ前面に押し出せばあとは気に入ってもらえるかどうかだ。

特に中小企業が営業職を求める際、どんな人を採用したいかなんて具体的に考えていないことが多い。勿論専門的な業務内容の場合は、明確にこの分野の経験がある人ということになるが、営業職の場合、扱う商品やサービスの知識が全くない状態でも1〜2年もあればなんとかなることが多い。だから、志望動機とか、これまでの職務経歴など、面接の場でうまく体裁を取り繕う必要なんてない。ただただ人柄を前面に押し出して正直に会話をすればいいだけだ。あとは面接する人に気に入られるかどうか。それはあなたが決めることではないからダメなら縁がなかったと割り切るしかない。

面接をする立場に立って見て、人が自分の事をどう評価するのか、本当に良い勉強になった。これは営業という自分の仕事にとって大きな収穫だ。