仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

チョン インジ (In Gee Chun)は強いぞ ー見応えのあった全米女子オープンゴルフー


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先週の週末は仕事で家にいなかったが、夜早く寝ることができたので、たまたま放映していた全米女子オープンを2日目から見ることができた。出場する日本人も今回は沢山いて、それなりに上位に残っている選手もいたので期待感を持って見ていた。

今回の開催場所は、ランカスターカントリークラブ。男子の全米オープンとは対照的でいわゆるオーソドックスなゴルフコースだ。コースのセッティングが良かったのか、大会4日間を通じてバーディラッシュになるようなこともないし、アンダーパーでラウンドすることが難しいということもなかった。

ティショットはフェアウェイをキープしないとセカンドでグリーンを狙えなくなり、フェアウェイをキープしたとしても150から160ヤードを残すホールが多く、セカンドショットも精度が求められる。さらにグリーンはかなり硬く早く、傾斜も急で乗せる場所によってはパーオンしてもパーで上がるまでに相当な神経を使う本当にタフなセッティングだった。

大会4日間あるなか決勝に進出した選手でもどこかで大きく崩す日があり、4日間のスコアがイーブンパーまたはそれ以上の選手が多かった。ただし、日本人の大山を含めた上位5〜6選手は初日からずっと上位をキープし、大きく崩すことなく着実にスコアを伸ばしていた。この上位選手の争いは本当に見応えがあり、私が見てきたゴルフ中継のなかで最も面白かった。特に大山選手の集中力と精神力は間違いなく世界トップレベルで、これだけのタフなセッティングで、4日間パーを量産し続けられる選手は今の日本人選手には他にいないのではないかと思うほど別格だったと思う。今シーズンは主戦場である国内ツアーでも常に上位争いに加わっていて、常に優勝を目指せる位置で競争をしているからこの精神力を維持できるのではないかと思う。

しかしながら上には上がいる。今大会のトップ3は全員韓国人選手。特に優勝のインジー チャンは20歳の現役大学生。2位のエイミー ヤンはここ数年全米女子オープンでは常に上位争いをしているそうだ。ちなみにここは世界最高峰の大会。ポッと出の怖いもの知らずが優勝できる場所ではない。インジーチャンは今シーズンすでに国内ツアーで3勝、日本のメジャー大会でも優勝しており、それらの結果を持ってこの大会の出場権利を得た。日本のメジャー大会で2位に大きな差をつけて優勝したとき、優勝インタビューのなかで、今後は日本でツアー登録をすることになるのか?というような質問を受けていたが、残念ながら彼女はそんな器ではないと思う。今後の主戦場はアメリカしかないだろう。
最後の表彰式の雰囲気を味わったら、またここで優勝して流暢な英語でコメントしたいと思うのではないか。片言のコメントは準備していたし、何より一体感があって和やかな雰囲気の表彰式だった。テレビで見ていてもそう思った。

彼女の強さはスキル的な要素もあるが、接戦での勝負強さだろう。簡単に言えばピンチをしのぎ、チャンスを確実にものにすることだが、これだけの一進一退の接戦のなかで、「この4メートルのパーパットは絶対に決めないといけない」というところで決める精神力、「ここでバーディをとればほぼ優勝間違いなし」というホールで、ピタッとピンに絡めてくるスキルは本当に見応えがあった。

日本の女子ツアーでも賞金ランクの上位は韓国人を含めたアジア人外国人選手だ。イ ボミ、テレサ ルー、シン ジエ、イ チヒ、ちなみに6位までの3人が韓国人(1位、3位、6位)。今シーズンはいまひとつだが、昨年の賞金王アン ソンジュも韓国人選手だ。今年もきっと巻き返して来るだろう。

日本ツアーでも有望な若手選手はどんどんでてきており、今後も女子ゴルフは面白くなりそうだが、一方お隣の韓国は、米ツアーでも日本ツアーでも上位に食い込める若手を多く排出している。この差は、接戦のなかでピンチをしのぎ、チャンスを確実にものにする精神力に他ならないと感じさせる大会だった。
個人的にはインジー チャンの今後の動向を注視したいと思う。男子の若手選手で言えば、ジョーダン スピースのような存在になってくれるのではないかと期待している。