仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

石川遼 ー確実に前進した今シーズンー

根拠となるような詳細なデータなどないが、石川遼はシーズン終盤、確実に進化していることを証明して見せた。シーズン中盤は予選落ちが続き、一ファンとしてはもうどうなることかと半ば諦めかけていたが、来シーズンのシードがかかった最後の何戦かで、進化の片鱗を見せてくれた。

PGAの仕組みに、フェデックスポイントというシステムがあり、シーズン終了後125位以内に入れば、その後のプレーオフに出場できる。最終戦を残して彼のランキングは130位。最終戦で上位40位ぐらいに入らないと、出場は難しいだろうとの下馬評だった。

今シーズンでは、一日はたまたま良くても四日間のどこかで大崩れして、そのまま浮上できないという状況が続いていたが、終盤の何戦かでは大きく崩れることなく、なんとか我慢して踏みとどまったという場面が多くなっていた。また、初日から首位に立ち、四日間で順位は落としたものの、なんとか10位に入ったりと、プレーオフ出場の125位に手が届きそうな期待感があったのだ。

ところが楽しみにしていた最終戦初日の昨週金曜日に早朝ネットでスコアを確認すると、なんと+1の116位。ちなみに松山は当日−5で上位発進しており、またこの構図かとかなりうんざりした。やはりコンスタントに上位で戦えるようになるにはまだまだ時間がかかるのかなあと思っていた。

翌日淡い期待を抱いて早朝リーダーボードを見てみた。なんと二日目は4つ伸ばして-3。カットラインはその時点では-1だったので、なんとか予選は通過できそうだった。一方リーダーボードを上から見たとき松山の名前が見当たらなかったと思い、まさかと思って下の方を見ると、松山は二日目にスコアを3つ落として-2でホールアウトしていた。全ての選手がホールアウトした後、再びリーダーボードを確認すると、カットラインは-2に繰り上がっており、松山は久々の予選落ちだった。松山は今シーズン抜群の安定感を発揮していたので、この予選落ちは本当に意外だった。これが石川ならまあこんなもんだろうと思われていたことだろうが・・・。

かくして石川はかろうじて予選を通過したが、残り二日間でさらに順位を上げる必要があった。三日目は比較的我慢のゴルフが続いたがそれでもスコアを2つ伸ばし、少しだけ順位をあげた。ムービングサタデーと言われる三日目は他の選手もスコアを伸ばしている中で、順位を落とさず踏ん張れたのもいつもとは何か違う感じがした。

後にも先にもあと一日となった最終日、日本時間では昨日の早朝。期待を込めてリーダーボードを確認した。その日もまた4つ伸ばしてトータル-9でシーズンを終了。その時点でのフェデックスランキングは127位。あと1打スコアが足りなかった。石川はこの最終戦での目標をトータル-10に設定していたから、目標の精度は高かったようだ。ただし、全ての選手がホールアウトした段階で、石川のフェデックスランクは124位に上がっていた。結果的にポイントランキング付近の選手がスコアを落としたようで、他力本願だがプレーオフ初戦への出場権を獲得した。

今回の最終戦は本当に楽しませてもらった。初日こそスコアは悪かったが、二日目で大きくとりもどし、三日目、四日目と順調にスコアを伸ばせたからだ。崖っぷちの一打一打が重要になるタフな状況でこの結果を残せたことは、数字以上に価値があると思えた。

彼はその日の心境を早速自身のブログで表現していた。以下公式サイトからの引用。
1ポイント足りなかったらプレーオフシリーズに行けませんでした。今年、獲得ポイント1の週何回かあったような。。それが効いてくるとは思いませんでした。効いてくるというか、全ての積み重ねですね。
1ポイントは、予選は通過したがスコアがボロボロでほぼ最下位付近というもので、今シーズン5回あった。それでもそのボロボロの5ポイントがなければプレーオフ出場は実現しなかった。このコメントには、自分自身でも素直に嬉しかったことが良く現れている。そしてその喜びの源泉は、自分の目指してきたものを少しづつ具体化できている、そんな確実な手応えだろう思う。