仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

お願いを聞いて欲しいときの私の頼み方 ー西濃運輸 船橋支店の対応に確信ー

誰でも一度は荷物が遅れて追跡をしたことはあるでしょう。荷物がまだ発送した地区にあることになっていたり、別の場所に誤配されていたり、いつ届くのかもわからないままイライラした経験は、モノを扱う仕事をしていれば時折あるものです。

 
追跡は、それはそれで非常に便利ですが、結局荷物が届かない事には問題解決にはなりません。だから今荷物がある場所からいつ届くのかが知りたいのだけれど、そういう時は大抵電話がなかなか繋がらなかったり、調べて連絡するといってもなかなか連絡が来なかったりするもの。
 
そんな経験が多くなると、運送会社の人は本当に対応が悪いとか、融通が効かないとか、何となくそんな印象を持ってしまうものです。
 
でも今日それを覆すような出来事がありました。少し長くなりますが、経緯は以下の通りです。
 
年明け7日着の荷物を6日着に変更する必要があったため、追跡画面から配達店を確認、電話番号が記載されていたのでスムーズに電話ができました。運送会社によっては配達店の連絡先が記載されていないケースもあり、コールセンターを経由しなければならないため、繋がりが悪いこともよくあるパターンです。
 
勿論、すでにある荷物の配達を一日早くするだけなので問題はありませんでしたが、午前中に届けることも条件だったので、その旨も申し入れました。
 
案の定午前中の指定は確約できないとの解答がありましたので、ならば支店止めにしてもらい、自分が朝一で引き取りに伺う旨切り返しました。
 
すると電話の応対を頂いた男性の方は、「わざわざお越しになるのは申し訳なないので、明日の朝一で改めて連絡を下さい。その時点で再度確認を取り、荷物が積み込まれてないようなら、午後の便に回ってしまう可能性が高いので、その時に引き取りを頂ければ良いと思います。」というのです。
 
私としては、午前中の確約はできませんという解答で終わりだと思っていたので、ちょっと面食らいました。あきらかに運送会社の対応ではないと思いました。(運送会社の対応を低く見すぎているかもしれませんが・・・)
 
そこで私は、その提案を受け入れ、荷物は止めでなく、一応午前中着希望で配送をお願いすることにしました。ただ、そうはいいながらも、午前便に積み込まれない場合は、引き取りに行く必要があったので、当日の朝は配達店へ向かいました。
 
配達店に到着して受付に出て来た男性に、簡単に事情を説明すると、その方は勿論そんな個別の案件は知るよしもありません。当然一度調べますということになりました。ただカウンター越しに立たせて待たせる訳ではなく、「お車で少しお待ち下さい。私がご連絡します」と、何となく対応が違うなあと思っていました。
 
そして車で待つこと約1~2分くらいで対応頂いた男性が車まで走って来ました。
「昨日電話の応対をした者が確認でき、その者が、すでにお客様の荷物が午前便に積み込まれたことも確認しておりました。午前中には間違いなく届きます。」と完璧な解答をするのです。
 
私としては、このまま電話で話した方が誰かわからないか、今日は出勤していないかで、それを調べるだけ時間がかかるというパターンを予想していたので、このすばやいフィードバックにはかなり驚きました。配達日の変更に加え、午前中の指定、場合によっては支店止め等、これまでの経験から、今回の要望は結構面倒臭いものだと思っていたからです。
 
その後私はその方に丁重にお礼をし、その場を離れました。
 
日頃から心がけていることがあります。それは、何かお願い事をしようとした時に、希望が上手く通らなさそうな時でも、決して感情的にならず、また、多少理屈に合わないことがあったとしても、そこを強い口調で指摘するようなことは余程の事がない限りはせず、始終穏やかな調子で話をするということです。
 
私自身もそういうタイプだからよく分かるのですが、やはり人は感情的な生き物で、強い口調で自分の都合ばかり主張するような人間には必要以上の事をしてあげたいと思わないものです。ましてや相手の顔が見えない電話や、メールなどの文章等でのやり取りの場合、語気や話し方にはかなり気を付けないといけないと思っています。
 
「言って見るものだ」という言葉があるように少し突っ込んで希望を伝えた方がいい場合も勿論あります。ですがそれも言い方には本当に気を付けないといけない、そう思っています。
 
控えめに、穏やかな口調で、相手が自社のルールや、制約、マニュアルの中で動いている事に十分な理解を示しつつ、自分の希望する結果を実現する為に、その相手と相談するような感じで話をすれば、期待以上の結果が得られることもあると思っています。
 
勿論そんな甘いスタンスでは、相手に隙を与えてしまい、希望する結果を殆ど実現出来ないこともあります。でもそれは相手が悪かったのではなく、何とかしたいという想いが足りなかったということだと思うのです。何とかしたいと強く思えば思うほど人は行動を工夫するものです。
 
今回私が希望する結果を実現する為には、最悪自分で荷物を引き取れば足りた為、心にゆとりがあり、上記のようなスタンスで話ができたという側面もあります。でも私の場合ほぼどんな場合でも同様のスタンスで頼み事をします。仮に今回私が強い口調で「午前中に何とかつけてもらえませんか?」と頼もうものなら、「確約できない」と単純に話が終わっていたと思います。相手と対等の立場で、相手の社内ルール等に気を配った上で、後は自分で何とかするということを、冷静に真剣に伝えた結果、相手のちょっとした「好意」を引き出せたのではないかと感じています。
 
これらのことは日常どこにでもあるやり取りです。全てのケースで上手く行くわけではありませんが、たとえ損をするケースの方が多いとしても、やっぱり私はこういうスタイルで頼み事をしたいなあと感じました。相手に「何かしてあげたい」と思ってもらえるような、そんな頼み事がしたいなあと。