仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

企業活動としての付加価値の創出 -石橋はたたいて渡ろう!-

私のこれまでの社会人人生の中でここ2~3年切に思うことがある。特にサラリーマンをやっていると「利益の出ない事業は撤退して利益の出る事業に経営資源を集中していく」というようなフレーズによく出会う。字面としての表面的な意味は勿論理解できる。ただみんなわかっていると思うが、利益が高くない事業を速シュリンクすれば良いかといえばそうではないし、一方ではスポット的に、瞬間的に利益を出すことも比較的簡単にできる。

要は利益率の高い事業をどれだけ長く継続出来るかが重要なのだ。その事を最近になって漸く真剣に考えるようになった。

今の会社は印刷スキルにおいて、衛生面、環境面に配慮した素晴らしい技術を持っていると思っている。それは代表が欧米のスタンダードを元に、消費者にも、製造現場の社員にも、ひいては地球環境にも優しい印刷を、世の中に広めたかったという想いが具体化した結果だ。ただ代表のその思いを、社員がまず理解していない。私も完全に理解しているとは言えないかも知れない。

社員が理解できてないものを社外の人間が理解できるはずがない。当たり前の理屈だ。「環境にやさしい」等という表面的な理屈では実際の購買活動には響かないのである。

ただでさえ日本の企業は変化を嫌がる。今のオペレーションの中で何も問題のないことはこれからも変えたくはないのだ。多くの大企業は「石橋をたたいて渡る」ことをせず、「石橋をたたいた挙句にわたらない」という意思決定をする。 

 

そんな中にあって、社長の思いを完全に理解し、実際に具体化できている社員がいる。自社の印刷スキルのポイントをよく理解し、さらには印刷する素材(紙、またはフィルム)や、インキのメーカー等関連する企業とのコミュニケーションが豊富だから、いろんなケースに対応できる。

すごいと思えるのは、他社には簡単に真似のできない領域をしっかりと見出し、そこにしっかりと付加価値を加えて(得意先も付加価値を納得づくで)ビジネス化している点だ。もちろん単発に終わる仕事ではない。しっかりと将来につながる継続的なビジネスに落とし込んでいるのだ。

 このレベルの営業的ビジョンを描き、実行でき、且つ資金繰りや会社全体の組織やHRMを有効に実行していく能力が経営者には求められるのだ。

経営者は大変だと字面ではわかっているつもりでも、真剣に考えれば考えるほど気の遠くなる職務だと思う。