仏(ほとけ)と言われる私のエッセイ

テーマはバラバラですが、ちょっとしたことを私なりに掘り下げて書いています。喜怒哀楽のある豊かな今後に向けて想いを綴りました。最初は音楽紹介から入りましたが、少しづつ変化してきたのでブログタイトルも変更します。

この記憶術で学習しよう ー覚えることより忘れない事が重要ー

大学受験を控えた高3の夏休み、当時必須の単語帳「ターゲット1500」というものの丸暗記を実践した。夏休みの前半だけで全て覚えるべく、1日に100語を毎日覚えた事がある。翌日にはかなり忘れていることもあるから、前日に覚えたもの、前々日に覚えたものを復習しながら15日間で1500語をなんとか覚える事ができた。あれから20年以上が経つ。今ではいくつぐらい覚えているだろうか。多分1000語ぐらいは今でも覚えているとおもっている。今度一度試してみよう。


さて、近年脳科学の研究が進歩し、脳に関する色々なことが解明されてきているが、今回記憶に関する本を読み、なるほどと思う事が多かったので簡単に紹介したいと思う。なんらかの纏まった学習をするのに役に立つと思う。
 
ポイントは以下の3点。
 

①脳は忘れたいということ

②理解していないことは覚えられない

③記憶のレベルをチェックする

以下の表について、記憶したことは思ったよりも早く、しかも大量に忘れるものだという事を認識しておく必要がある。せっかく記憶のしたのに翌日には7割以上忘れてしまうというのだ。また、覚えやすいものと覚えにくいものがあり、覚えにくいものは記憶した途端に忘れてしまうと考えたほうが良い。

 

 

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よって、忘れないためには復習をタイムリーに行う事が非常に重要になる。復習することによって忘れないようにする事が重要なのだ。
 
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また、意味のわからない事や、理解できていないことは覚えられないし、覚えてもすぐに忘れてしまう。そもそも覚える事にものすごい苦痛が伴う。何の為に記憶するのかを考えた場合、私たちはその記憶を使って考えたり、話したりするために記憶している。だから覚えたい事柄をまずはよく理解し、整理する事が非常に重要になる
 
③について、記憶には強い弱いがあるということだ。覚えていたいことがどの程度強く記憶に残っているかを認識する為に、以下の4つの段階を参考にしてほしい。

【ファミリア】
最も弱い記憶。どこかで聞いたことあるぞというようなレベルの記憶で、漠然としており使える代物ではない。せっかく記憶したことがこの状態になると意味がなくなってしまうので、こうなる前に復習をする必要がある。

【リコグニション】
リコグニションは「見分ける」という意味で、自力で思い出せないが、選択肢が与えられれば答えることができるというレベルの記憶。例えば「5月を英語でなんといか?」という問いに対し即答できなくても、MARCH、APRIL、MAYと選択肢を与えられれば答えられるというレベルの記憶だ。学習の最初の記憶レベルはこのレベルで十分ではないか。

【リコール】
リコールは再生するという意味で、選択肢を与えられなくても自力で思い出せるレベルの強い記憶だ。先程の例でいうと5月はMAYと発音もスペルも正確に答えられるというレベルになる。一般に学習をする上で目標となるレベルだ。

【オートマティク】
自動的にという意味で、思い出そうとしなくても自然に出てくるレベルの記憶。数学や物理の公式、外国語の会話などは、このレベルにならないと実際に使いこなせない。

 以上、記憶したい事柄がある場合、既に学習したものがどの程度のレベルで記憶できているか、またはこれから記憶したいことがある場合、どのレベルまで記憶しておけばよいかということの参考になるだろう。

まとめ

①学習したいこと、記憶したいことがある場合、まずはどの程度記憶しておけば役に立つのかを予め考えておく。(リコグニションで良いのか、リコールなのか、オートマティクまで高めたいのか)

②最初の学習で覚えることを前提にするのではなく、よく理解し整理することに重点をおく

③記憶に残す為には復習が欠かせない。最初の復習は遅くとも1時間以内に行う
(この時点での記憶レベルはリコグニションを目指す)

④翌日にもう一度復習する
(リコールレベルの記憶を目指すなら、短期で繰り返し復習する必要がある)

⑤1週間後くらいにもう一度復習し、記憶の定着レベルを確認する

⑥後は定期的にチェックし、ファミリアの状態にならないようにする

とここまでが一連の学習パターンだ。勿論個人差があり、また覚えやすいもの、覚えにくいものもあるから、3回、4回と繰り返しただけでは記憶として定着しないかもしれない。ただ、折角学習したものをどんどん忘れていくのは本当に勿体無いと思う。この記憶術はそんな忘れないための記憶術。是非何かのお役に立てて頂ければと思う。